鹿沼市立粟野小学校 (栃木県鹿沼市)

木のまち鹿沼が地域の力を結集した「地材地建」の校舎。

木の温かさと回遊式動線が自主的な学びを引き出す。

「うわぁきれい!」
「木の香りがする!」
粟野地区の5,000本の杉と、地元産業の力を結集した「地材地建」の校舎が完成しました。2015年1月8日、初めて新校舎を訪れた子供たちは大歓声。床は桧材、天井は杉、すべて地元産の木材です。
目玉は「夢階段」と名付けられた多目的ステップです。幅最大 5.5メートルの大階段が2階まで一直線につながり、子供たちは階段に腰かけて本を読んだり日向ぼっこをしたり、思い思いに過ごしています。見上げると、天井の木組みの美しさに圧倒されます。「子供たちはもちろん私も一番好きなスペースです」と校長先生(当時)。
階段を上るとそこはオープンな図書室。吹き抜けを取り囲むように校舎を一周する廊下にも書架が置かれ、子供たちは気に入った本を好きな場所で読むことができます。
「この校舎には行き止まりがない。子供たちが自由に回遊してお気に入りの居場所を見つけたり、他の子と交流したりできる。そこから子供たちの主体的な学びが生まれる」と校長先生。温かな木の校舎が、地域への感謝、愛校心をも育んでいると感じているそうです。 (掲載内容は取材当時のものです。)

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「夢階段」と名付けられている多目的ステップ。休み時間には、図書室から持ち出した本を読んだり自由にくつろいだり。幅広のステップをステージとして学習発表の場にも。

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低学年の教室の一角にある「デン(隠れ家のような小部屋)」は子供たちのお気に入り。授業中、気持ちが高ぶった子供のクールダウンのスペースとしても活用。

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子供たちが学習に使う机や椅子、ロッカー、黒板の木枠などは鹿沼の木材を使って地元の工場で特注製作したもの。子供たちは感謝しながら大切に使っている。

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中央のサークル状の別製書架が特徴的な図書室。書架がずらりと並ぶ廊下ともオープンにつながっていて、子供たちは思い思いの場所で本に親しむことができる。

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上履きと下履きを別々に収納する下駄箱は海外の学校を視察して着想を得た。下駄箱の高さを低く抑え、背板をなくしたことで圧迫感がなく明るい昇降口となった。

Interview Q&A
Q.
校舎を使ってみての感想はいかがですか?
A.
「木の校舎がこれほど温かく、心を落ち着かせるものだとは」と驚いています。子供たちが落ち着いているから先生も穏やかでいられる。先生に叱られないから子供たちはもっとやる気になる。好循環が起こっています。本校のスローガンは「感動と感謝」。子供たちはこの校舎が地元の木で地元の工場や職人さんが作ってくれたことにとても感謝して「大切に使おう」と意識しています。
新校舎お披露目の式典では、お礼の気持ちを込めて、来校者に校舎の端材で手作りした箸をプレゼントしました。これが子供たちの発案であったことが何より嬉しいですね。
鹿沼市立粟野小学校

明治6年に創立した伝統校。市の合併、学校の統合、老朽化などに伴い改築。木材は地元からの無償提供。校舎のみならず机・椅子・書架なども地元材・地元の工場で製作。端材は集成材に加工し無駄なく使われている。
※2015年4月1日より「粟野第一小学校」は「粟野小学校」へ校名を変更

詳しくはhttp://kanuma-school.ed.jp/e-awano/

(2014年9月取材。掲載内容は取材当時のものです。)